グラスヒュッテ・オリジナルは、「シックスティーズ・クロノグラフ・アニュアルエディション 2021」を発表した。文字盤のグリーンが鮮やかな新作は103万4000円で発売中だ。
1年間限定で生産される「アニュアルエディション」
ドイツではGUBという企業体として、A. Lange & SohneとGlashutteが統合されていた時代があり、1960年代のGUBウォッチを現代によみがえらせたモデルが、グラスヒュッテ・オリジナルの「シックスティーズ」である。
2007年にタイプ2000/2001系のディテールを忠実に再現して登場以来、多くの愛好家から支持を得てきたシックスティーズ。その中でも人気を博すのが、1年間限定で生産される「アニュアルエディション」だ。
今年で4作目を迎えたアニュアルエディション「シックスティーズ・クロノグラフ・アニュアルエディション 2021」は、2018年の初作が採用したグリーンダイアル文字盤がクロノグラフモデルとなって復活した。この独特のパターンが目を引くグラデーショングリーンの文字盤、じつは非常に手の込んだプロセスによって作製されている。
まずプレス機を用いて60tの圧力で文字盤を押し、葉脈のようなパターンを与える。強すぎるとパターンが潰れてしまい、また弱すぎるとしっかりと模様が出ないため、繊細な力加減が重要だという。その後、ガルバニック塗装によるベースコートの上からグリーンラッカーを複数層にわたって塗布し、色付けする。そして最後にグラデーションを出すためにブラックラッカーを専用のスプレーガンで薄く塗り、クリアを吹くのだ。
グラデーションを付けながら、かつプレスのパターンが埋もれないように複数層に塗装していく必要があるため、この文字盤を作るのには高い技術が求められる。コストも高くなる。18年の発表時の反響が大きかったこと、また現在人気のグリーンカラーであることから、ある程度販売が見込めるモデルとわかっていても、手間を考えれば、1年間限定でしかあえて製造しないのも納得である。
グラスヒュッテ・オリジナルは外装の質と並んで、ムーブメントの仕上げにも定評があるブランドだ。「シックスティーズ・クロノグラフ・アニュアルエディション 2021」が搭載するCal.39-34は丁寧にポリッシュされたスワンネック型緩急針やローターに配された21Kゴールドの錘、そしてグラスヒュッテストライプを全面に施した3/4プレートなど、高級機にふさわしい装飾が与えられている。
どこから見ても美しい「シックスティーズ・クロノグラフ・アニュアルエディション 2021」は、今回も争奪戦必至である。