ニューヨーク時計協会(HSNY)が4番目の奨学金を発表。
時計製造の芸術と科学を発展させるという使命のもとニューヨーク時計協会(HSNY)は、新たな経済支援策として、「グレース・フライヤー女子時計学生奨学金」を発表した。現在、時計業界では、強く影響力を持つようになった女性たちの声「Women in watches movement」が不可欠となったが、もしHSNYが、放射能被害を受けたアメリカの女性たちの暗い過去について言及しないのなら、それは怠慢というものだろう。
ニューヨーク時計協会が彼女の名前を冠したこの奨学金を、叔母は女性の地位向上のシンボルとして捉えてくれると思います。
グレース・フライヤー奨学金(The Grace Fryer Scholarship)は、1920年代にイリノイ州とニュージャージー州で文字盤塗装工として働き、文字盤を光らせるために使用されたラジウムの副作用で命を落とした女性たち、「ラジウム・ガールズ」に捧げられたものだ。彼女たちは、正確に塗るため、ラジウムのついた筆を唇で指すように指示されていた。ラジウム・ガールズたちは、ラジウム中毒による恐ろしい副作用に苦しみ、多くの人が命を落としたのだ。
ニュージャージー州で文字盤塗装をしていたフライヤー(1899-1933)もこれに苦しみ、ラジウム使用による致命的な影響を認めさせ、知らずに犠牲となった女性たちへの補償を求め、雇用主に対する長く困難な闘いを率先して進めた。フライヤーはラジウム・ガールズのために何年も闘い続けたのだ。彼女たちの裁判は、全米のメディアの注目を集め、判例を確立し、労働者の権利に多大な影響を与え、科学の進歩の先駆けとなった。
グレース・フライヤーの甥であるアート・フライヤー氏は、「ニューヨーク時計協会が彼女の名前を冠したこの奨学金を、叔母は女性の地位向上のシンボルとして捉えてくれると思います」と述べている。「HSNYが女性の時計職人育成を支援する事業にかかわってくれ、叔母のグレースは光栄に思っていることでしょう」
グレース・フライヤー奨学金は、HSNYの時計製造における経済的支援の機会として、以下のリストに新たに加わった。